こんな本を読みました。
男が読むと胸クソ悪く感じる本かも。
この本がですね、「男」としての自分が嫌いになるほど、衝撃的な本でした。
僕も、学生時代から基本的に男とばっかりつるんできた方なので、女性であることのつらさは「見て見ぬフリ」をしてきたのだと思います。
男女雇用機会均等法が施行されてもう30年以上経ちますし、上の世代に比べると僕たち20代くらいの世代は、言われなくても「男女は平等だ」という規範意識を持っています。
でも、本当にそうでしょうか?
やっぱり男性は下駄を履かせられているんじゃないか?
男であるというだけで、得をしていることがいっぱいあるんじゃないか?
この本を読むと、男としての自分の存在を見つめ直すきっかけになります。
いい本でした。
以下、僕の感想を2つに分けて書いておきます。
感想
①男は自分の感情を言葉にするのがニガテなのはなぜ?
男は基本的に、自分の感情を言葉にして他人に伝えるのが下手くそです。
著者も、
──みたいなことを言っています。
なんで男は、自分の感情を言葉にするのがこんなにもニガテなんでしょう?
一つの答えは、これです。
男は、言葉よりも実績をアピールします。
たとえば、「鍛えられた身体」・「学歴」・「収入」・「社会的地位」など、男は誰にでもわかるような実績をアピールしがちです。
「僕は東大生です」と言えば、まわりも「ははあ〜」と恐縮するのですから、わざわざ言葉にして相手に伝える必要がないのです。
だから、自分の内面を言葉にする言語化能力が育たない。
『水戸黄門』で、「これが目に入らぬか!」と言って、印籠を見せると、周囲の人がいっせいに「ははあ〜」と低姿勢になるというお決まりのシーンがありますよね。
男にとっての学歴や収入は、この印籠と同じです。
自分の口ではなくて、印籠に語らせるのですから、これではいつまで経っても男は自分で自分のことを言葉にするスキルが育ちません。
男の「口下手」は、恋人との関係でも、しばしばデメリットになります。
多くのカップルは、男が言葉で愛情表現をするのが下手くそなせいで別れているのではないでしょうか?
よく、男女が言い争いをしていて、男が言い返すことができず、思わず手が出てしまうという男の暴力行為があります。
これも、男がちゃんと自分の考えを言葉にする能力があれば、暴力に至ることもなくなるのではないでしょうか。
今の時代、ブログ、SNS、YouTubeなど、「言葉にして表現すること」がかつてないほど大事な時代ですから、男だって、「口上手」になるために勉強しないといけませんね。
②差別は空気。だから気づけない
僕は女性差別なんてしたことない。
──多くの男性はこう言うかもしれませんが、意外とそうでもありません。
女性に「かわいいね」というだけでも、容姿差別になる可能性もありますし、差別になるかどうかは言葉の受け取り手次第だからです。
僕自身、よく女性に対して、
女子力高いですね!
──と言っていたんですが、これもなんだか女性の性別役割分業の意識を強めている気がして、女性によっては不愉快に感じるんだろうなあ……と反省したことがあります。
ただ、若い人はまだきちんと「気づけ」ますし、これから軌道修正していくことができるはずです。
でも、高齢の男性になってくると、もはや「気づけ」ないのです。
日本だと、麻生太郎さんの女性差別意識はもはや壊滅的なひどさで、たぶん治らないと思います。
彼にとっては、女性差別はもう人間にとっての「空気」のように当たり前になっているので、自分の何が悪いのかも気づいていないのでしょう。
でも若い人はまだ気づけます。
今のうちに、僕たちの周りに漂っている「空気」に気づくことが大事です。
【まとめ】男はつらいし、女もつらい
『男はつらいよ』という映画がありますが、結局のところ、女も男もつらいのです。
でも、ふつうに生きていると、男性は女性の「つらさ」に気づけません。
それは、そもそも日本社会が男性有利なようになっているせいかもしれませんし、女性が本当はつらいのに、つらくないかのように愛想良く振る舞ってくれているせいかもしれません。
大事なのは、お互いのつらさを理解すること。
その第一歩として、ぜひ男性にはこの本を読んでほしいです。
この本と似たおすすめ本
最後に、この本と似ている本をいくつかおすすめしておきます。
1200人以上の女性たちの恋バナを収集して見えてくる、男の失敗があるあるすぎておもしろいです。
男だって弱くてもいい。傷ついてもいい。泣いてもいい。強くなれない男たちの救済本です。
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