今回は、実存主義者の代表的な哲学者であるサルトルの小説『嘔吐』の紹介。
嘔吐 新訳 [ ジャン・ポール・サルトル ]
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あらすじはかんたん。
無職の30歳男が、フランスの港町で悩みながら生き、何度も吐き気に襲われる話。
主人公は無職の30歳男なんだけど、正体不明の吐き気に襲われるのが伏線になってる。
メモ
日本語タイトルは『嘔吐』だけど、フランス語の原題(La Nausée – ラ・ノゼ)は直訳すると「吐き気」になる。作中でも、「嘔吐」するシーンは出てこない(あったらゴメン)。
あくまで吐き気に襲われる男の話だから、そんなに汚い話ではない。
この小説の最後あたりで、とあるジャズ音楽が登場する。
この音楽を聞いた主人公は、なぜか救済されたらしくて、吐き気が消える。
そのジャズ音楽がこちら。
https://www.youtube.com/watch?v=ijmpTlN3HRI
一応、俺の解釈としては、こう。
人間は目的なく生まれてくる存在にすぎないが、音符は目的が先にあって生まれてくる。
音符の実存に感動した主人公は、救済されたのではないか。
音符の実存に感動した主人公は、救済されたのではないか。
うん、俺もよくわからんけど、実存主義はそもそも難しいんだ。
サルトルの言う実存主義を俺流にかんたんに説明するとこうなる。
- 自動車も洗濯機も掃除機も「人間の暮らしを楽にする」という目的のために生み出された。じゃあ、人間はなんのために生まれたの?
- ➡︎人間は目的なしに存在している。だから人生に悩むのは当然。
- ➡︎だから、あんまり人生に悩むな。人間に生きる目的なんかないんだから、その日その日を楽しく暮らせればいいじゃん。
━━サルトルが実際にこう思ってたかは知らんけど、「人生に目的なんかない」と思ってしまうと「じゃあ死ぬわ」と決断する人もいるので、あえて明るく解釈してみた。
たしかに、自動車も洗濯機も掃除機も「人間の暮らしを楽にする」という目的が先にあるから、取扱説明書がついてる。
でも、人間には取扱説明書がついてないんだよね。
自分の人生の目的を明らかにするには、自分で自分の取扱説明書を書くしかない。
でも自分より優れた人間がいくらでもいる世の中で、自分の取扱説明書を書くのはむずかしい。
スペックの優れた掃除機があればみんなそっちを使うし、劣化版の掃除機なんて誰も買わない。
NO.1にならなくてもいい。 もともと特別なOnly one
NO.1を目指して競争するとしんどいから、もうOnly oneってことで開き直ろう。
人生に目的はない。
だからこそ、自由にその日その日で楽しめればいい。
ナマケモノみたいに気楽に生きていけるといいですね。
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ちなみに、サルトルの『嘔吐』は別におもしろくはないので、読むのはおすすめしないです。
解説書はいっぱいあるので、解説書を読んで『嘔吐』も読んだことにしておくのがおすすめ。
おすすめの解説書をいくつか紹介しておきます。
【中古】図解雑学 サルトル (図解雑学シリーズ) / 永野潤 / ナツメ社
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嘔吐 新訳 [ ジャン・ポール・サルトル ]
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