『ブルシット・ジョブ―クソどうでもいい仕事の理論』を読みました。
分厚い専門書ではありますが、働き方についての本なので、実感がわきやすく読みやすいです。
ブルシット・ジョブの定義はこちらです。
「 ブルシット・ジョブとは、非雇用者本人でさえ、その存在を正当化しがたいほど、完璧に無意味で、不必要で、有害でもある雇用の形態である。とはいえ、その雇用条件の一環として、本人は、そうではないと取り繕わなければならないように感じている」
もっとわかりやすく言うと、
「ブルシット・ジョブとは、働いている本人からしても、なくなったとしても誰も困らないと思える仕事のこと。
ただ、『なくなっても誰も困らない』と公言してしまうと、職を失うおそれもあるし、働くことによって得ている満足感が消えてしまうので、みんなうすうす気づきながらも誰も言わない」
━━これがブルシット・ジョブです。
中間管理職や、コンサルタント、金融関係の職などは、ブルシット・ジョブの代表例として本書で登場しています。
本書をざっくり要約すると、こうです。
・かつてケインズは「2030年までには、テクノロジーの進歩により、欧米諸国で週15時間労働になるだろう」と予言した。
➡︎しかし、実際には長時間労働は終わっていないのはなぜ?
・それはブルシット・ジョブが原因。
・テクノロジーの進歩によって本当なら週15時間労働でよくなっているにもかかわらず、「働いているんだ」という実感を得るためだけにブルシット・ジョブで労働時間を水増しして、週40時間労働になっている。
・ブルシット・ジョブをなくすには、ユニバーサル・ベーシックインカムが必要だというのが結論。
僕なりの要約ですが、大きくは間違っていないはず。。。
実は、僕たちの世界はとっくに、週15時間労働で十分になっているのかもしれません。
ただ、特に日本の場合、「長時間働く人はすごい!」という労働観があるので、1日にわずかしか働いていないと、「世間体」が悪くなるのでしょう。
本当なら、テクノロジーの進歩のおかげで週15時間労働で十分なはずなのに、「世間体」のために週40時間労働になっているのだとしたら、なんとヘンテコな世界でしょうか……。
ただ、なくなっても誰も困らない仕事であるブルシット・ジョブについている人はたくさんいます。
なんでブルシット・ジョブをするかというと、生活費を得るためですね。
生活費を得るためだけに、やりがいのないブルシット・ジョブについている人がたくさんいるのです。
(ブルシット・ジョブにやりがいがなさすぎて、精神を病んでしまう人も多いらしい)
著者は、解決策として、ベーシックインカムの導入を提案しています。
つまり、「ベーシックインカム」を導入して、全国民に最低限の生活費を配ればいい。
そうすると、食うために仕方なくブルシット・ジョブをする人はいなくなり、みんなやりがいを求めて職探しをするようになる……というわけです。
今、コロナ禍で医療の最前線でエッセンシャルワーカーが働いていますが、彼らの賃金は低く、待遇も悪いです。
それに対して、ブルシット・ジョブに従事している人が高賃金を得ているのは、やはりおかしいですよね。
正社員/バイトにかかわらず「なくなっても誰も困らない仕事」(ブルシット・ジョブ)を経験したことのある人は多いはず。
そんな人は、この本をおすすめします。モヤモヤがすっきりしますよ。
最後にもう一度、本書の要約をのせておきますね。
・かつてケインズは「2030年までには、テクノロジーの進歩により、欧米諸国で週15時間労働になるだろう」と予言した。
➡︎しかし、実際には長時間労働は終わっていないのはなぜ?
・それはブルシット・ジョブが原因。
・テクノロジーの進歩によって本当なら週15時間労働でよくなっているにもかかわらず、「働いているんだ」という実感を得るためだけにブルシット・ジョブで労働時間を水増しして、週40時間労働になっている。
・ブルシット・ジョブをなくすには、ユニバーサル・ベーシックインカムが必要だというのが結論。
この漫才ネタは会社の上司に聞かせたい。 pic.twitter.com/IV3n6jZExQ
— タロン@本読み (@shin_taron) January 8, 2021
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