ダイハードシリーズは現在、全5作あります。
今回は、U-nextの1ヶ月無料体験サービスを利用して、全5作のダイハードを一気に見ました。
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一気に見たおかげで、他のレビューサイトにないことに気づいたので、それも最後に書きます。
一作だけ見るならこれ
まず、結論。
一作だけ見るなら、ダイハード1です。
最高におもしろいです。ダイハード1は。
見る順番としては、どれから見ても問題ないですが、
シリーズ最初の作品であり、かつ最高傑作なのですから、『ダイハード1』を最初に見ない理由がありません。
個人的なランキングとしては、「1➡︎2➡︎4➡︎3➡︎5」ですね。
以下、この順番で簡単にレビューというか、感想を書いていきます。
『ダイハード1』
舞台がほぼビルだけに限定されているので、ストーリーの筋も追いやすく、いちばんスリリングです。
「ナカトミ・コーポレーション」という架空の日系企業がテロリストに占拠されるのですが、その日系人の社長がかなりかっこよく描かれているのが好印象です。
映画『ティファニーで朝食を』で滑稽に描かれていた日系人にくらべると、ずいぶんかっこいい。
やはり、ビルというクローズドな空間が、緊張感を持続させてくれますね。
シリーズが進んで舞台が大きくなるのに反比例して、面白さは下がるのがダイハードの残念なところ。
最初に見るなら、ダイハード1でまちがいないです。
悪役を演じたスネイプ……じゃない、アラン・リックマンの演技も最高で、脚本も練られていて、非の打ち所がない。
映画の舞台がクリスマスなので、クリスマスになると『ダイハード1』を見たくなるという中毒者、多数。
ちなみに『ダイハード1』は、昭和天皇の崩御にともない、日本での公開は延期されたそうです。
たしかに昭和天皇が崩御した後で、『DIE HARD』(=なかなか死なない)なんて不敬のきわみですからね……。
『ダイハード2』
テロリストに空港の管制機能を掌握されるというストーリー。
前作がビルの中という狭い空間だったのに比べると、今度は空港なので少し緊張感には欠ける印象。
最終的にテロリスト集団には勝利して、「やった、一件落着だー」みたいな雰囲気になるのですが、途中で飛行機が墜落して何百人も死んでいるんだが……。
手放しで喜ぶことはできんよなあ……。これだけ犠牲者が出てると。
あと、途中で、主人公のマクレーンが空砲のマシンガンを人に向けて撃ちまくるシーンがあるのですが、あれはダメだろ……。
撃ち返されても文句言えんぞっていうツッコミを入れたくなりました。
『ダイハード4』
アメリカのインフラシステムが、テロリスト集団にハッキングされるというストーリー。
主人公のマクレーンは銃器機の扱いは得意ですが、パソコンや携帯などの電子機器は苦手な(今時の?)おじさん。
途中、敵のボスから「マクレーン、お前はデジタル時代のハト時計だ」と言われるシーンがあるのですが、これがすごい印象に残っているセリフ。
相棒のオタクくんが少しずつ強い男になっていくのが、見どころなんよねー。
マクレーンは、とにかく相手を直接殴りに行くというアナログ人間。
相棒のオタクくんは、パソコンを操作して遠隔で敵をかく乱するというデジタル人間。
どちらかが欠けると相手には勝てない、デジタルとアナログの両方があって初めて成り立つという構図は、今のコロナ禍の状況に似ているかも。
みんな「リモートワークだ!」って言ってますけど、結局、荷物の配送や接客、医療など、デジタルリモートだけでは完結できない仕事もありますもんね……。
『ダイハード3』
ニューヨーク市内を舞台に、テロリスト集団に立ち向かうというストーリー。
ただ、ニューヨーク全体が舞台になっていて、あちこちを駆け巡るという流れなのであまり緊張感が持続しない……。
あと、犯人がなぞなぞを仕掛けてきた理由もよくわからないまま終わったし……。
ラスト、テロリストのリーダーを倒すシーンもシリーズ史上いちばん地味、というかダイハードにしては小さすぎる爆発でしたね。
『ダイハード5 ラスト・デイ』
うーん、これは残念な完成度でした。
舞台が初めてアメリカではなく、ロシアになっているのですが、マクレーンのキャラがぶれまくっているんですよね。
ダイハード1のころは、事件に巻き込まれて「やれやれ」という感じで、敵を倒しにいく巻き込まれ型のキャラだったのですが、
今作では、こっちから積極的に敵を殺しにいく、肉食の殺し屋と化しています。
今作は、「不仲だった父と息子の仲直り」が一つのテーマになっていますが、そんな殺し屋のお父さんとは仲直りできませんっ。
あと、個人的に気になったのが、マクレーンが一般人の車を奪うときに、「ロシア語なんかしゃべってんじゃねー!」とロシア人の運転手を殴り倒してしまうシーン。
アメリカにいる頃のマクレーンなら「すまないな、車を借りるぞ」という、腐っても紳士みたいな振る舞いだったのですが、外国に行くだけでこんな差別的になってしまうのですか、マクレーン刑事。
ダイハード全作見て気づいたこと
今回、ダイハード全作を一気に見て気づいたことがあります。
それは、
女性の死を直接描かない
──ということです。
シリーズ全作を通して、男は撃たれまくるわ血を流しまくるわ、バタバタ死んでいきますし、男の死体はあたかも置物のようにそこら中にころがっています。
しかし
女性が直接的に殺されるシーンは、一度もなかったですね。
・『ダイハード1』では、女性の人質がたくさんいましたが、誰も殺されてはいません。
・『ダイハード2』では、飛行機が墜落するので、当然女性の乗客も死んだでしょうが、それは直接的には描かれません。
・『ダイハード3』では、敵グループの強い女性がヘリコプターの墜落で死にますが、それも直接的には描かれません。
・『ダイハード4』では、体術がめちゃ強な女性が爆死しますが、それも直接的には描かれません。
・『ダイハード5』では、ヘリを操縦する女性が突っ込んできて爆死しますが、それも直接的には描かれません。
──ダイハードシリーズでは女性も死にますが、男性の死亡シーンとちがって直接的には描かれないんですよね。
爆発で死んだと観客に思わせるだけです。
ただでさえ粗野なアクション映画ですから、女性を直接的に殺してしまうと加速度的に映画の見栄えが悪くなることを避けているのでしょうか。
シリーズ通して、監督も製作も人が変わっているので、「女性の死を直接描かない」ことが鉄則になっているわけではなさそうですが……
そもそもアクション映画はあまり残酷になりすぎると受けが悪くなるので、「アクション映画は女性の惨殺シーンを避ける」という性質がもともとあるのかもしれませんね。
意外とダイハードシリーズは、女性に優しい映画なのかも?
【まとめ】一作だけ見るなら
一作だけ見るならまちがいなく、『ダイハード1』に決まりです。
シリーズ一作目で、かつ最高傑作ですので、逆にこれ以外の作品から見始める理由はないですね。
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