忙しいあなたにこそ、おすすめしたい短編が3つあります。
どれも4ページくらいの長さですからね。
トイレに行くよりも早く読めます。
どの短編もめちゃ短いのに、あなたの人生観を変えるくらいのインパクトがありますよ。
ぜひ、仕事の合間やご飯の合間にでもお読みください。
4ページで人生観が変わる短編3選
では、さっそく紹介していきましょう。
①村上春樹『4月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて』
(『4月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて』は、この短編集に収録されています)
あの村上春樹が、最高の短編を書いています。
いきなり長すぎるタイトルで恐縮ですが、心配なさらずに。
とても短い短編です。
ボーイミーツガールの物語なのですが、
世にあるすべての恋愛小説は、この短編のマネごとです。
100%の恋愛とはなにか?
75%の恋愛とはなにか?
今、あなたは何%の恋愛をしているでしょうか。
この作品の主人公たちは、100%の恋愛ができたのか。
ちょっと歳をとってから読むと、グッとくること間違いなしの恋愛小説の傑作です。
村上春樹といえば、「君の名は。」を観て、村上春樹の「四月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて」という短編を思い出しました。
— うでパスタ (@UDPasta) October 22, 2016
②筒井康隆『到着』
(『到着』はこの短編集に収録されています)
筒井康隆はSF作家ですが、宇宙をテーマにしたたった2ページの短編で、僕たちの人生観をひっくり返すことに成功しました。
これはすごいですよ。
実は僕、これを最初に読んだとき意味がよく分からなかったんですよね。
しかし、読み返してみると、「はっ! そういうことか!」と、脳みそに衝撃を受けました。
電子書籍などでサクッと読んでみてほしいです。
僕は、世界一短く、そして世界一インパクトのある短編だと思っています。
俺も中学で「到着」に出くわして、頭に地球が落っこちてきたような衝撃を受けました(恐怖というよりも「ものの見え方がガラッと変わる間隔」を感じた)。原点かもしれません。 https://t.co/PLEWZAocXz
— 飛浩隆 TOBI Hirotaka (@Anna_Kaski) July 31, 2020
③太宰治『待つ』
(『待つ』はこの短編集に収録されています)
『人間失格』で有名な太宰治の隠れた傑作短編です。
とある女の子が駅で誰かを「待つ」。
──という、ただそれだけの短編なのですが、これは現代にもそのまま通じるストーリーでびっくりしました。
ラスト一文の衝撃もすごい。
太宰治はいきなり読者に「あなたはどう思う?」みたいな文章を書いて、読者をびっくりさせるのがうまい作家です。
この短編のラストも、完全に読者へ向けた一文です。
この短編でも女性のこまかな感情が揺れていて、「うまいなあ」と思います。(僕は男ですけど)
太宰治の小説「待つ」
マジでエモい。
本当にこの短編小説、エモい。
四ページの短編小説だけどエモい。エモい意味しらないけど。
— 宙也 (@cakebotan) August 16, 2020
おわりに
ネタバレしないように紹介したので、かなり短くなってしまいました。笑
短編のいいところって、やっぱり、
仕事でクタクタになって帰った時に、『カラマーゾフの兄弟』全4巻とか、まあ読めないですよね。
しかし、たった4ページくらいの短編なら……読めます。
以上! 仕事で忙しいあなたにも、ぜひおすすめしたい短編3つでした!
読んでくださってありがとうございました。
もし、「短い短編をもっとたくさん読んでみたい」と思ったあなたに、おすすめのショート・ショート本を紹介しておきます。
ショート・ショートの神様、星新一の本です。
やっぱり、『ボッコちゃん』がいちばん有名ですね。
今回も紹介したSF作家、筒井康隆のショート・ショート本です。
吉本新喜劇的なおもしろさのショート・ショートがたくさんのってます。
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