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2021年読んでよかった本10冊

【書評】『サラ金の歴史』|チワワの正体は悪魔だった

俺と同じ世代(1996年生まれ)の人なら、こんなCMをうっすらと覚えていないだろうか?
 

 

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消費者金融がヤクザまがいの取り立てをする理由


 
債務者にヤクザまがいの取り立てをする消費者金融のやり方には、ちゃんと理由があった。
 
 
団体信用生命保険(通称:団信)というものがある。

団信のメリット

  • 債務者が死亡した場合、消費者金融は未返済の貸付金を保険金によって回収できる。


つまり、借金を払えずに延滞している債務者が自殺すれば、団信の保険金によって残債が補償されるから、サラ金にダメージはほとんどないということ。
 
これに気づいた消費者金融はこう考えるようになる。
優しく取り立てるより、ヤクザ並みの怖さで取り立てて運良く自殺してくれたら、お金は全額返ってくるからむしろラッキー。

 
俺も驚いたんだけど「客を自殺に追い込むことが、消費者金融にとって合理的な経営方法である」という状況が、30年にわたって野放しになっていたらしい。
 
 
著者は本書でこう書いている。

団信の導入は、リスクの高い債務者を金融的に包摂する上で重要だったものの、債務者の自殺を誘発する債権者のモラルハザードを30年にわたって誘発し続けた。
 
信用審査を緩和したことで高まったリスクを、団信という保険によってカバーし、債務者の自殺をもいとわない厳しい取り立てを行いながらサラ金は高い収益を上げて成長していった。

 

お金を貸す側が圧倒的に有利で、借りる側が圧倒的に不利なのはいつの時代も変わらない。
 

チワワは悪魔の手先


 
消費者金融の店舗には、原則として男女がそれぞれ最低1人は配属されていて「女性が営業・男性が債権回収」というように、男女の分業がはっきりしていたらしい。

  • お金に困ってる男客に可愛い女性社員が近づき、丁寧な接客をし、お金を借りさせる。
  •  

  • ➡︎返済が滞れば、一転してコワモテの男性社員がヤクザまがいの取り立てで追い詰める。

「貸す時は天使。返せなければ悪魔」
 
消費者金融はこの2つの顔を使い分けて、多数の自殺者を誘発していたらしい。
 
 
つまり、アイフルのCMに出てくるチワワは、あくまで仮の姿をした天使だったんだ。
お金を返せなければ、チワワではなくて大型の狂犬が取り立てに来る。
 
 
チワワのかわいらしいCMに騙されて、生活破綻に追い込まれた人がきっとたくさんいたんだろうね。
 

消費者金融は姿を消した?

本書からの引用。

2010年に施行された改正賃金業法によって、利息制限法と出資法との間に存在した法定上限金利の差(いわゆるグレーゾーン金利)が明確に否定され、金利は最高でも年20%に引き下げられた。
 
過去に払いすぎた金利は「過払い金」として取り戻せることが広く知られるようになり、消費者金融各社の経営は著しく悪化した。

 
 
現在は消費者金融はほとんど力を失ってるらしい。
 
 
でも、お金の貸し借りは形を変えて復活してる。
 
 
Twitterで、「#借りパク」で検索すると、債務不履行を起こした人物の実名や運転免許証、保険証などがさらされている。
 
 
消費者金融がなくなったとしても、個人間でのお金の貸し借りは形を変えて残り続けるらしい。
 

 

 

 
本書から得られる最大の教訓は、

「お金を貸す側は圧倒的に有利。借りる側は圧倒的に不利」だということ。

不利な立場に追い込まれないためには、たとえ有名な消費者金融からだろうが、信頼している友人からだろうが、「お金は借りない」。
 
 
これが一番の対策だと思う。
 
 
消費者金融が仕掛けたマスコットキャラクターである可愛いチワワの正体を知りたい人にはオススメの本です。
 

 

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