昭和における経営の神様といえば松下幸之助ですが、平成における経営の神様とはおそらく稲盛和夫でしょう。
敗戦間もない貧しい時代に働きはじめ、京セラ設立、KDDI設立、JAL再建など、まさに仕事漬けの人生です。
なんでそんなに働けんの?
と、僕はツッコミたくなります。
おそらく稲盛和夫の本を読むのは、年齢層の高い人たちだと思います。
僕のように20代で稲盛和夫さんの本を読む人は少ないかもしれませんが、間違いなく若者にも有益な本ばかりです。
別に僕は、
むしろ逆。
「仕事は辞めろ」みたいな記事も書いていますしね。
ですが、だからこそ、稲盛和夫のような仕事一筋の人生は、興味があります。
(僕は、稲盛和夫を宇宙人を見るような気持ちで見ています)
今回は、稲盛和夫さんの本を読みまくった僕が、おすすめ本を厳選して紹介します。
5位 燃える闘魂
稲盛和夫は、
誰にも負けない努力が必要だ。
━━と言っています。
わずかなプライベート時間は、読書にあてていたそうです。
残念ながら、家族との時間はあまりなく、子供と過ごす時間も少なかったとか。
まさに仕事漬けの人生ですが、「誰にも負けない努力」をするためには、それくらいの犠牲は必要だったのかもしれません。
仕事をものにしたいなら、「燃える闘魂」が必要であり、それが最近の若者には欠けているものなのかもしれません。
4位 考え方ひとつで人生は変わる
稲盛和夫さんいわく、仕事の結果は次のような方程式で決まるそうです。
「人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力」
まず1つ目の要素として、考え方が重要であり、人間一人一人には哲学が必要である。
2つ目の要素が熱意。
誰にも負けない努力をし、燃える闘魂を持つべきだ。
これは、努力さえすれば誰にだって可能。
3つ目の要素は能力。
これは単に生まれ持った能力。先天的なものなので、努力だけでは得られない。
稲盛和夫さんの方程式は、「人間は不平等なものだ」ということを計算に入れていますね。
だって能力は生まれ持ったものなので、なかなか変えられません。
しかし、考え方や熱意は変えられる。
あなたの努力しだいで。
いくら生まれ持った能力が低くても、考え方と熱意を高めれば、じゅうぶんに挽可能なのです。
3位 人を生かす
この本は、中小企業経営者からの質問に稲盛和夫が答えていく形式なのですが、Q&A形式になっていておもしろいです。
たとえば、経営に苦しむ中小企業の社長がこんな質問をしています。
うちの会社は経営が厳しい。満足な給料も払えないが、仕事はたくさんあるので社員の残業が必要なのですが、どうやって残業をしてもらえばいいですか?
この質問に、稲盛和夫はこう答えています。
経営者はプロですから、時間にとらわれず無制限でがんばらなければなりません。ただ、われわれ中小企業が許してもらえる範囲を考えれば、1日2、3時間残業してもらって10時間か11時間くらいでしょう。
実際には世間相場より低い給料しか出せない中小企業は、それなのに他社よりももっと頑張れと言わなくてはならない。大変な矛盾を抱えているのです。
社長が社員にすごい愛情をかけない限り、物質的なものだけで社員がついてくるはずがないのです。
これぞ、中小企業の矛盾ですね。
お金や待遇だけでは、中小企業の社員はついてこない。
社員を愛して、社員が自発的に働いてくれるようにしないといけない。
2位 活きる力
稲盛和夫は、この本でこんなことを言っています。
草食系やゆとり世代などと呼ばれる、優しい反面、生きる気力に欠けた人たちが、多くを占めるようになってしまった。
フルにゆとり教育を受けた僕は、なかなかギクっとしました。
でも、「生きる気力に欠けた」という点には、異議ありですけどね。
若者は迷いがちなだけで、生きる気力に欠けているわけではありません。
稲盛和夫が生まれたのは、必死に働かないと今日の飯も食えない時代だったそうですから、物質的に豊かな時代に過ごす今の若者を見る目は厳しいですね。
このへんのジェネレーションギャップは、マリアナ海溝より深いので、どうしようもないありません。
ちなみに、後半で書かれている「20代で知っておくべき経営の12カ条」が面白いです。
長期の経営計画を立てる必要はない。京セラでは過去の長い間にわたって1年間の経営計画を立てていた。
現時点から5年先を見て中長期の経営計画を立てた場合でも、数年後には環境がガラッと変わってしまう。
しょっちゅう修正することになってしまうので、計画そのものの信憑性がなくなり、計画自体が疑われてしまうことになりかねません。
━━というのは驚きですよね!
今は、変化の激しい時代です。
どうせ先のことなど読めないのだから、今目の前にある仕事を懸命にこなしていくべきなのかもしれませんね。
1位 賢く生きるより辛抱強い馬鹿になれ
IPS細胞で有名な山中教授との対談本です。
稲盛和夫も鹿児島大学工学部卒で、お互いに理科系の人間ですから、話が盛り上がっていました。
2人の違いが出ていておもしろい箇所があります。
山中教授は、
「IPS細胞のような分野は、成果が出るまでに非常に時間がかかるので、次の世代にバトンを渡さなくてはいけないこともある。ペース配分が大事なので、時には休むことも大事」
──と言っていますが、稲盛和夫は違います。
「常に100メートル走を全力疾走する勢いで仕事をしてきた。全速力で走っているうちにそれが自分のペースになった」
稲盛和夫は、立ち止まって休むということがなかったようですね。
完全に立ち止まってクヨクヨ考える僕とは、大違いです。
ふつう、短距離走者はすぐにスタミナ切れになって長続きしないものですが、稲盛和夫は違うようですね。
これが、稲盛和夫の正体でしょうか。
【まとめ】稲盛和夫さんの考え方はそんなに好きではない
正直言って僕は、稲盛和夫の考え方にはそれほど共感できません。
何十年も仕事一筋で結果を出して、全力疾走で走り続けられる人もいるでしょうけど、それは再現性がないと思うのです。
僕の生意気な意見を言わせてもらうと、戦後のまだ貧しい時代は「日本を復興させよう」という明確な目標があったので、頑張りやすかったと思うのです。
働けば働くほど、目に見えて国が成長していった時代ですもんね。
それに対して僕らの時代は、
わかりやすい目標がないんですよね。
多くの若者は迷っています。
迷いすぎて行動が取れない人たちを、「だからゆとり世代はダメなんだ」と批判するのは簡単ですけど、そんな単純なことじゃないと思います。
今の若者だって、目標さえ決まれば強いはずです。
たかが数世代で人間の能力がそんなに落ちるはずがない。
迷いに迷った末に、自分が追える目標を見つけてから、行動すればいい。
全力でがんばれないあなたは、目標をまだ見つけていないだけ。
本当のあなたは全力でがんばれるはず。
僕は、そう思います。
というか、稲盛和夫の経営哲学はやはり「インターネット以前のもの」だと思います。
彼の本を読んでも、ネットを活用した経営の話はほとんど出てきませんし、正直今の僕たち若者世代にとっては、彼の経営哲学は時代遅れな気がします。
(もちろん、彼の業績を否定するつもりはまったくありません)
僕ら若者世代は、もっとインターネットと近い世代の経営者をお手本にすべきかもしれません。
以上、最後まで読んでいただきありがとうございました!
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