ITエンジニアの面接にて。
最近、予備知識ゼロでITエンジニアの面接を受けてたんだけど、その時に頻出した上流/下流というエンジニア用語。
最初はよくわからなかったんだけど、本書を読んでおおまかに理解できた。
下流では桃太郎を拾えない
上流/下流は、単純に川の流れだと思えばいい。
本書ではこう図示している。
- 戦略
- システム化計画
- 要件定義
- 設計
- 開発
- テスト
- 保守・運用
上流/下流に明確な境界線があるわけではないんだけど、だいたいこんな感じらしい。
本書によると、上流を担当するのがコンサルタントなどで、中流を担当するのがSE、下流を担当するのがプログラマーらしい。
大事なのは間違いなく上流工程であり、上流で設計をミスってしまうと、下流のプログラマーがいくら努力しても失敗する。
上流工程の方が給与も高くなるため、多くのITエンジニアは上流を目指しながら働くらしい。
上流では、桃太郎の入った桃を拾うことができるけど、桃を拾った以上は物語の登場人物となる「責任」が生まれる。給料は高い。
下流にはそもそも桃が流れてこないから、大した「責任」は生じない代わりに、給料は安い。
- 上流工程:
責任は重く、給料は高い。 - 下流工程:
責任は軽く、給料は低い。
上流と下流では、ざっくりこんな対照的な関係があるようだ。
もちろん、下流工程が必要ないということではないので、念のため。
(ちなみに、桃太郎のたとえは本書からではなく俺の思いつきです)
桃太郎の入った桃を拾って責任ある登場人物になりたい人は、上流に行くのが良さそう。
将来に自動化されるのは下流工程
本書いわく、
本書を引用してみよう。
上流工程の仕事になると、SEは部下を統率するためのマネジメント能力が必要になり、システムアナリストであれば顧客の悩みの本質を抽出するコミュニケーション能力や情報分析能力が必要になる。
なんとなくIT企業のエンジニアは、パソコンに向かって1日中無言でカタカタコードを書いているイメージがあるんだけど、それは下流工程のエンジニアのイメージだろう。
コミュ力不要の下流工程の仕事はこの先、AIによって自動化されてなくなっていく危険性が高い。
たしかに、英語の翻訳なんて今やGoogle翻訳やDeepLでかなり自動化されてしまってるから、それと同じことが下流工程でも起こりそう。
だから、将来にわたって安心なのは上流工程の仕事なんだけど、当然、上流工程には優秀な人材がひしめきあってる。
コミュ力は人によっては逆立ちしてもゲットできないスキルなので、一生、コミュ力不要の下流工程の仕事をする人もいる。
俺はそれが悪いと思わない。
自分に合った仕事をえらぶのが、いちばん幸福度が高いから。
とはいえ、
ちなみに、スティーブ・ジョブズやジェフ・ベゾスなどビッグIT企業の創設者は、意外とプログラミング言語がそれほど得意ではないらしい。
プログラミング能力が彼らより上のエンジニアは世界にはいくらでもいる。
じゃあ、なんで彼らがAppleやAmazonのようなビッグIT企業を作れたかというと、人を指導するカリスマ力・人の心を惹きつける人身掌握術など、いわゆるコミュ力があったからだと思う。
無言でカタカタキーボードを叩いてるだけでは、IT企業のトップになれないということなのかもしれない。
と言われることも増えたけど、やっぱりコミュ力はあったほうがいい。
俺も下流工程からスタート
俺も実は最近転職活動をしてて、ITエンジニアとして転職が決まった。
でもその仕事が、「保守・運用」という下流工程の仕事なんだ。
文系未経験から始めるわけだから、そりゃまあ仕方ないんだけど、上流にステップアップしていかないと給料UPの見込みは薄いらしい。
俺が川の流れに逆らって上流まで泳いでいけるかは未知数。
なんとなく、下流工程で一生くすぶったままダラダラ仕事する未来も見えるんだけど、まあがんばってみます。
そういえば、本書のタイトルの『プログラミング教育はいらない』の意味だけど、
みたいな主張でした。
決して、プログラミング教育を丸ごと否定しているわけではないので、ご注意を。
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