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2022年読んでよかった本10冊

【英語で読む】『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』名言13選

今回は村上春樹の『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』の名言を、12個集めました。

英訳もなかなかイカしてますね。読みやすかったです。
 
 

ただ、元の日本語の文章からかなり離れた英訳になっていたり、丸ごと訳されていない文章もあったりしました。
 
翻訳者のAlfred Birnbaumは、けっこう大胆な翻訳をするようですね。

 
 
翻訳で気になったのが、一人称の問題です。

・「世界の終り」の章では、「僕」。別れた影は、「俺」。

 

・「ハードボイルド・ワンダーランド」の章では、「私」。


──このように、一人称がバラバラなのですが、英訳だとすべて”I”になっています。
 
翻訳者も歯がゆい思いをしたでしょうね、これは……。

底本はこちら。翻訳者はAlfred Birnbaumです。

1
たとえば地球が球状の物体ではなく巨大なコーヒー・テーブルであると考えたところで、日常生活のレベルでいったいどれほどの不都合があるだろう?
 
 
For instance, supposing that the planet earth were not a sphere but a gigantic coffee table, how much difference in everyday life would that make?

 
2
心は使うものじゃないよ。心というものはただそこにあるものなんだ。風と同じさ。君はその動きを感じるだけでいいんだよ。
 
 
The mind is nothing you use. The mind is just there. It is like the wind. You simply feel its movements.

 
3
僕の住んでいた街は壁に囲まれてはいなかったし、我々はみんな影をひきずって歩いていた。
 
 
That the town I lived in had no wall around it, and that our shadows followed us whenever we walked.

 
4
でも彼女の太り方はとてもチャーミングだった。
 
腰骨の上に耳をあてると、晴れた午後に春の野原に寝転んでいるようなかんじがした。
太腿は干した布団のようにやわらかく、そのままふわりとしたカーブを描いて静かに性器にまで届いていた。
 
 
Still, her plumpness was charming.
 
Resting an ear on her hip was like lying in a meadow on an idyllic spring afternoon, her thighs as soft as freshly aired futon, the rolling flow of her curves leading gracefully to her pubis.

 
5
それから冬の壁はこのうえなく危険だ。冬になると壁はいっそう厳しく街をしめつける。我々がきちんと間違いなくその中に囲みこまれていることを確認するんだ。
 
 
Then, there is the Wall. The winter Wall is the height of danger. In winter, particularly, the Wall shuts the Town in.

 
6
私の人生は無だ、と私は思った。ゼロだ。何もない。
 
私がこれまでに何を作った? 何も作っていない。誰かを幸せにしたか? 誰をも幸せにしていない。何かを持っているか? 何も持っていない。家庭もない、友達もいない、ドアひとつない。勃起もしない。
 
仕事さえなくそうとしている。
 
 
My life is nothing, I thought. Zero. Zilch. A blank.
 
What heve I done with my life? Not a dammed thing. I had no home. I had no family. I had no friends. Not a door to my name. Not an erection either.
 
Pretty soon, not even a job.

 
7
私は地球がマイケル・ジャクソンみたいにくるりと一回転するくらいの時間はぐっすりと眠りたかった。
 
 
I wanted to nod out for as long as it took the earth to spin one Michael Jackson turnaround.

 
8
もっと心を開いて。あなたは囚人じゃないのよ。
 
あなたは夢を求めて空を飛ぶ鳥なのよ。
 
 
Unclose your mind. You are not a prisoner.
 
You are a bird in flight, searching the skies for dreams.

 
9
良い樵というのは体に1つだけ傷を持っているもんさ。それ以上でもなく、それ以下でもない。
 
 
A good woodsman has only one scar on him. No more, no less.

 
10
世界の終わりかもしれないが、ここには必ず出口がある。それは俺にははっきりとわかるんだよ。空にそう書いてある。
 
出口があるってね。鳥は壁を越えるよな? 壁を超えた鳥はどこへ行くんだ? 外の世界だ。この壁の外にはたしかにべつの世界があるし、だからこそ壁は街を囲んで人々を外に出さないようにしているんだ。外に何もなきゃわざわざ壁で囲い込む必要なんてない。
 
そして必ずどこかに出口はあるんだ。
 
 
It may be the End of the World, but it has to have a way out. I know that for certain. Look at the sky.
 
Where do those birds go when they fly over the Wall? To another world. If there was nothing out there, why surrounding the place with a Wall?
 
It has to let out somewhere.

 
11
気の利いた女の子というのは300種類くらいの返事のしかたを知っているのだ。 そして離婚経験のある35歳の疲れた男に対しても平等にそれを与えてくれるのだ。
 
 
Girls who are on top of things must have three hundred ways of responding to tired thirty-five-year-old divorced man.

 
12
「もう服を着ていいかな?」と私は訊いた。
 
女の子より先に服を着ないというのが私のジンクスなのだ。
 
文明社会では礼儀というのかもしれない。
 
 
“ Can I get dressed now ?“ I asked.
 
I have this thing about not getting dressed before the woman does. It jinxes everything if I do.
 
Maybe it’s just a civil gesture.

 
13
死とはシェービング・クリームの缶を半分残していくことなのだ。
 
 
Death leaves cans of shaving cream half-used.

 

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