「白黒の映画なんて見てられない」
━━という人は多いと思うけど、白黒の映画が当たり前の時代があったんだ、と歴史を学ぶ感覚で見るとおもろいはず。
ちなみに、最も古いとされている映画の一つは、『ラ・シオタ駅への列車の到着』だ。
列車が駅のプラットホームに入ってくるだけのたったそれだけの短い映画なんだけど、映像を見慣れていなかった当時の人たちは、「列車が追突してくる! 危ない!」と思って、逃げ回ったという都市伝説すらある。
白黒映画を見ていると、昔にタイムスリップしたかのように錯覚できるので、タイムマシン的な感じで見てほしい。
では、26歳がえらぶ人生ベストレトロ映画3選を紹介する。
26歳がえらぶ人生ベストレトロ映画3選
散り行く花
1919年のサイレント映画。
この頃はまだ、役者の声を録音することが技術的にできなかったそうなので、声がないんだ。
今時、サイレント映画なんて見たことない人が大半だと思うけど、昔のサイレント映画はだいたい著作権が切れていてYouTubeなんかで無料で見れるので、意外と娯楽になる。
この『散り行く花』というサイレント映画、声で伝えることはできないので、こんな方法を使って俺たち観客に情報を伝えてくる。
主役の女性が「笑ってみろ」と言われて、人差し指と中指で無理やり口角を上げて笑顔を作る。
たとえ声のないサイレント映画でも、このシーンを見るだけで、「あ、この女性は自然に笑顔を作れないんだ。今まで感情を封じて生きてきたんだな」とわかる。
声で情報を伝えれないサイレント映画ならではの技法だ。
今の映画はこんな技法をこらした伝え方はできない。
ザ・イロモネアで最難関のジャンルと言われている「サイレント」を突破したいお笑い芸人は、サイレント映画を勉強するといいよ。
サンセット大通り
1950年のアメリカ映画。
この映画は、過去の栄光にすがるおばさんの狂気を描いていてものすごいホラーなんだ。
この映画に出てくるおばさんは、サイレント映画時代のスターなんだけど、今は活躍が減り、「忘れられた人」に。
一度、「時の人」になって注目されると、世間からの注目依存症になり、注目されるためならなんでもしようとしてしまう。
このおばさんはその一線を超えてしまった。
ラストシーンのあのみんなわかってるけど誰も真実を言えないあの感じ。
年末のガキ使の「笑ってはいけない」で、大御所芸人がぜんぜん面白くなくても笑わないといけないあの雰囲気に似ている。
過去の栄光にすがる老害の末路を見逃すな。
バニー・レイクは行方不明
急に人が消える系の映画は、映画『バルカン超特急』とか映画『フライト・プラン』とかがあるんだけど、論理の破綻なく描いてるのは、この『バニー・レイクは行方不明』だけだ。
映画『バルカン超特急』はトリックが破綻してるし、映画『フライト・プラン』は主人公のシングルマザーが暴走しすぎでトリックも運任せというひどい映画だ。
でも、『バニー・レイクは行方不明』だけは論理が通っている。
しかも、怖い。
ラストは何が起こったのか分からないと思うけど、冷静に登場人物を整理してほしい。
おっそろしい真実に気づくはずだ。
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