今年もたくさん本を読んだので、読んで良かった本ベスト10を決める。
読書ライフのご参考までに。
【2020年】読んでよかった本ランキング10冊
完全自殺マニュアル
飲み会では絶対に口にできないような暗い話題なんだけど、「自殺」については真剣に考えないといけないと思う。
「自殺」をテーマにした本でおそらく最も有名なのが、この『完全自殺マニュアル』。
90年代の日本のベストセラーの一冊で、当時も社会的現象を巻き起こすほどのブームだったらしい。
それがいまだに読まれているのは、日本人が内心では自殺に興味があるからだろう。
ただし、紹介されている自殺方法はさすがに情報の賞味期限が切れてるので、もはや「マニュアル」として読むには古すぎるかも。
あくまで、著者の自殺に対する考え方を学ぶのがいいと思う。
ちなみに、著者は本書で、
生きたけりゃ勝手に生きればいいし、死にたければ勝手に死ねばいい。生きるなんて、たぶんその程度のものだ。「生きるなんてどうせくだらない」。
━━と言ってて、自殺を肯定も否定もしていない。
「がんばれ!」「生きろ!」と応援してくれる自己啓発本とは真逆の本だけど、だからこそ読む価値がある。
自殺も人生の選択肢のうちの一つだし。
夫のちんぽが入らない
現在40代の女性著者が、「夫のちんぽが入らない」ことに衝撃を受けて以降の人生を本音で語る、いわゆる「私小説」。
セックスについて観察者のように淡々と語る文章、36歳の若さで閉経する著者の衝撃など、読んでて飽きない。
ていうか、よくこのタイトルで出版できたなと思う。
編集者と著者が「『夫のちんぽが入らない』についてなんですが……」みたいにやり取りしてるのを想像するとシュール。
「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる 「繊細さん」の本
日本人は周囲に気を使いすぎ。
だからこそ日本の「おもてなし」の文化を生んでるのかもしれないけど、「繊細さん」は生きにくい。疲れやすいから。
俺はわりと「鈍感さん」な方なんだけど、社会人は「鈍感さん」の方が生きやすい。
会う人会う人にいちいち気を使ってては、自分が折れちゃうし。
「繊細さん」という優しい名前をもらったことで、安心した読者も多かったはず。
メモの魔力
言わずと知れたベストセラーなんだけど、俺は一点だけ反論した。
ネタバレしとくと、
もちろんメモを取ること自体は大賛成。
俺はiPhoneのメモアプリに、読書メモも日頃のアイデアもすべてメモっているので、膨大な量になりつつある。
俺は死ぬまでメモり続ける。
メモは生きがい。
プレゼンテーション ZEN
これはPowerPointを使う社会人は絶対に読むべき。
日本人にありがちな文字がギチギチに詰まった読みにくいスライドではなく、シンプルで訴求力のあるスライドの作り方を教えてくれる本。
原則は一つだけで、
人前でプレゼンテーションをしたり、YouTubeにスライド動画を上げる予定のある人は必読。
「手抜き」と「シンプル」の違いについてもわかるので、ぜひ読んでほしい。
アフターデジタル オフラインのない時代に生き残る
中国で始まっている「ジーマ・クレジット」を初めて知った本。
これ読むとわかるけど、ITに関しては間違いなく日本より中国の方が進んでる。
中国の政治制度が正しいとも思わんけど、少なくともITに関しては先輩として見習うべきだと痛感した衝撃本。
世界の女が僕を待っている
著者は風俗Youtuberとして有名な人で、世界各国の風俗を紹介してくれる本。
風俗に興味のあるなしにかかわらず、世界中のセックス文化について比較して知れるので、「地球の歩き方」のエロバージョンだと思って読むといい。
ゲンロン戦記 「知の観客」をつくる
哲学者は経営とかビジネスに疎いと思ってたけど、東浩紀さんは違う。
会社を作る哲学者って初めて聞いた。哲学とビジネスの相性は意外といいのかもしれない。
哲学を学んだ人の企業成功話として、最高におもしろい。
街と、その不確かな壁
村上春樹がボツにした封印作で、単行本化されてないので雑誌でしか読めない超貴重な小説。
わざわざ図書館に行って当時の雑誌を引っ張り出して読んだんだけど、読んで良かった。
今や世界中で人気のベストセラー作家にも、大失敗作はあるんだとわかったから。
サイコパス
社会人やってると、利益にしか関心がなくて人の心に全く共感しないサイコパスみたいな人によく会う。
そんなサイコパスの行動を教えてくれるのが本書。
サイコパスはゲーム的に行動するのが好きらしい。
でもゲーム的ということはサイコパスの次の一手は先読みしやすいわけだから、本書を読めばあなたの周囲のサイコパスを操ることもできるかも。
自分がサイコパスかどうか、チェックするために読むのもよし。
あのスティーブ・ジョブズやアインシュタイン、マザー・テレサでさえ、人に共感できないサイコパスだったという説もあるので、サイコパスは社会の進化には必要らしい。
(参考文献:『スピリチュアルズ』)
ただ、サイコパスは社会の進化を加速させてくれるとはいえ、身近にいると被害を受ける可能性が高い。
サイコパスは、自分とは無関係の遠くに存在しててほしい。
中野信子『サイコパス』
"サイコパスは、職場の環境を「協調し合う場所」というより「競争的なもの」であると捉える傾向が高いとされています。
自分以外の人間に関心が持てず、この世界が助け合う場所だと認識できない。だから「勝つ」ことをゲーム的に求めてしまいます。" pic.twitter.com/ImYcX81RBL— タロン@ガジェボート (@shin_taron) June 3, 2021
「サイコパスが学校に侵入するとどうなるか」という思考実験で物議をかもしたのが、『悪の教典』という小説。
サイコパスを知りたい人にはおすすめ。
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